子供を育てるのに必要なお金｜子育て費用の内訳と進路別教育費

子供を産み育て、立派に成人するまで育てると一体いくらのお金が必要になるのでしょうか。

子育てにかかる費用は、「養育費」と「教育費」の2つに大きくに分けられます。

つまり、この2つの総額を足し算すれば答えが出るということです。

結論から言うと、最低でも子供1人あたり「2,646万円」が必要です。

健康に育つために必要な「養育費」

まず考えなければならないのが「養育費」です。
これは「健康に育つために必要なお金」のことです。

例えば、食費や服代、おむつ代やミルク代、お小遣いなどがこれにあたります。
また子供に与える雑貨や文具、学習机などの私物などの生活用品、それからレジャー費用なども含みます。

後で解説する「教育費」以外がすべて含まれていると考えていいです。

AIU保険の調査によれば、「養育費」はズバリ「約1640万円」です。

出産から22年間の養育費

出産・育児費用　約91万円
子供の食費　約671万円
子供の衣料費　約141万円
子供の保健医療・理美容費　約193万円
子供のおこづかい額　約451万円
子供の私的所有物代　約93万円

合計　約1,640万円

（出所　AIU保険「AIUの現代子育て経済考2005」）

この数字は出産から22歳になるまでの総額なので、年間に直すと「約75万円（月額6万円）」になります。
つまり、子供が1人増えるごとに、月6万円の負担が増えるということです。

この章のまとめ

どんな子供の養育費も、1人平均「1,640万円」

進路によって異なる「教育費」

次に「教育費」を考えます。

幼稚園、小学生、中学校、高校、短大、専門学校、大学……。

子供の成長とともに様々な学校に通い、そこで勉強するために必要なお金すべてが「教育費」です。

「教育費」はお子さんの進路によってその総額は異なりますが、「最低額」と「最高額」を知っておけば目安になるでしょう。また「覚悟」もできるはずです。

幼稚園から高校まで「オール公立」…最低額

最初に「幼稚園から高校」という流れを考えます。

最低額は「オール公立」です。つまりすべて「国公立」の学校に通った場合となります。

「オール公立」だと、その総額は「523万円」です。

幼稚園から高校まで「オール私立」…最高額

逆に「オール私立」だった場合はどうでしょう。
この場合が「幼稚園から高校」までの「最高額」となります。

「オール私立」だと、その総額は「1,769万円」です。

高校卒業後／今や「大学進学率」は「50％」以上

ここまで「幼稚園から高校まで」を考えてきました。

では高校卒業後の進路はどうでしょう。

私たちの「親世代」、つまり今の50代や60代なら「高卒」でも社会で働くことが出来ました。
しかし、今どきは大学進学率が「50％」を超えています。

したがって、何か明確な目的が無い限り「高卒」が最終学歴というのは望ましくありません。
今どきは「高校」を卒業したら「短大」や「大学」など進学するのが普通と考えましょう。

大学進学に必要な3つのお金

大学に進学すると必要になるお金は3つあります。
それは「入学費用」と「在学費用」と「仕送り等」です。

入学費用は「98万円」必要

最初に入学費用ですが、平均すると「98万円」かかります。
これは「国公立大学」の場合も「私立大学」の場合も合わせた平均値です。
また「文系」・「理系」などの学部も足し算しています。

少し詳しく見ていきましょう。

一番お金がかからない大学は「国公立大学」です。

国公立大学の入学費用は、平均よりも低い「79万円」です。

一方、一番お金がかかるのは「私立大学」の「理系学部」です。
私立大学（理系）の入学費用は、平均よりも高い「120万円」となります。

この章のまとめ

入学費用の平均は「98万円」
もし国公立なら「79万円」必要
もし私立なら「120万円」必要

在学費用は「608万円」必要

次に在学費用ですが、平均すると「152万円」かかります。

国公立大学の場合は「101万円」です。
私立大学（理系）の場合は「189万円」です。

ただし、これは1年間の平均額です。
大学は4年間あります。

なので、
国公立大学なら101万円×4年間＝「404万円」です。

また、
私立大学（理系）なら189万円×4年間＝「756万円」です。

平均すると、
152万円×4年間で「608万円」です。

この章のまとめ

在学費用は「608万円」必要
国公立なら「404万円」必要
私立なら「756万円」必要

仕送りの年間平均額は「145万円」

自宅（実家）から離れたところにある大学に通う場合、お子さんが一人暮らしをする必要があります。
お子さん自身がアルバイトをして学費を払っていれば何の問題もないのですが、そう簡単にはいきません。

仕送り額については、年間で「145万円」という数字が出ています。

1年間に平均「145万円」ということは、
145万円×4年＝「580万円」が大学4年間の総額となります。

この章のまとめ

仕送りは大学4年間で「580万円」必要。

1人暮らしを始めるために必要な費用は？

また、一人暮らしを始めるにあたってアパートを借りる必要が出てきます。
引っ越し費用や敷金礼金、家具などをそろえると大体「41万円」かかります。

この章のまとめ

1人暮らしを始めるために「41万円」必要。

まとめ

子供を1人育てるために必要なお金＝「養育費」＋「教育費」
どんな子供でも22歳までに「養育費」が「約1640万円」かかる。
幼稚園から大学まで「オール公立」で、実家に住んでいると「教育費」は「1006万円」必要である。
幼稚園から大学まで「オール私立」で、1人暮らしで仕送りをすると「教育費」は「3,266万円」必要である。
したがって、最低額は「2,646万円」である。（養育費：1640万円＋教育費：1006万円）
最高額は「4,906万円」である。（養育費：1640万円＋教育費：3,266万円）

参考：ベネッセ「【保存版】子育てにかかる費用のすべてを解説します」
参考：文部科学省「子供の学習費調査（平成26年度）」
参考：日本政策金融公庫「教育費負担の実態調査結果（平成29年01月30日発表）」