欧米ではビルトインタイプの食洗機が主流ですが、日本ではまだまだ卓上タイプの食洗機のほうが人気です。
ビルトインタイプの普及が伸び悩んでいるのは、日本の住宅事情も関係あるのでしょう。ですが、狭くても設置できるプチ食洗が登場し、食洗機の需要は高まりつつあります。
食洗機の導入を検討している家庭は、メーカーや機種、サイズなどを調べて、どれを購入しようか迷っていると思います。そのときに、意外と忘れられているのが“コンセントにアース端子がついているかどうか”ということ。
卓上タイプの食洗機の場合、設置工事の段階になって、初めてアース端子がないことに気づく家庭もかなり多いんです。
そこで今回は、もし食洗機を設置したい場所の近くのコンセントに、アース端子がなかった場合はどうしたらいいのか?そもそもアースはしなくても大丈夫なのか?など、食洗機のアースについて考えていきたいと思います。
食洗機のアースはどうしたらいいのか|コンセントにアース端子がない場合の対処法
【1】食洗機の近くにアース端子がなかった場合の対処法
ビルトインタイプの食洗機を設置する場合は、キッチン内部にコンセントとアース端子がなければ設置できないので、アースの心配をする必要はありません。食洗機の設置と同時にコンセントの工事が行われます。
一方、卓上タイプの食洗機は、自力で設置することも可能です。よって、必ずしもコンセントの工事をしなければならないわけではないので、設置場所の1番近くのコンセントに、アース端子が付いているかどうかが問題になります。
というわけで、ここでは卓上タイプの食洗機の導入を検討している場合にのみ言及していきます。
まずは食洗機を設置したい場所の近くのコンセントを確認してみてください。コンセントにアース端子は付いているでしょうか?付いているのであれば、まったく問題ありません。届く範囲であれば、そのままアース線を差し込むだけです。
問題は、コンセントにアース端子がなかった場合です。では、コンセントにアース端子がなかった場合はどうしたらいいのでしょうか?
考えられる対処法は3つあります。ただし、アース線をつなげないで、そのまま食洗機を使うという選択肢は除いています。
コンセントをアース端子付きに交換工事してもらう
電気工事店または食洗機の販売店に頼んで、コンセントをアース端子付きに交換工事してもらうのが1番確実な方法です。しかし、費用も1番かかります。およそ1万円程度です。工事ができない構造のコンセントもあるので、まずは電気工事店に確認しましょう。
また、賃貸住宅の場合は勝手に工事することはできませんので、貸主の許可を得なければなりません。
ビリビリガード(プラグ型漏電遮断器)を使う
ビリビリガードを使う方法もあります。ビリビリガードに食洗機のプラグを差し、それをそのままコンセントに差し込むだけです。
ビリビリガードは、漏電を感知すると自動で電気を切ってくれる装置です。ホームセンターやネット通販などで、3000円前後で購入できます。
ただし、ビリビリガードは漏電を遮断するだけで、アースのように電気を壁に流してくれるわけではありません。何もしないよりは効果がありますが、アースをしなくてもいいわけではないので注意してください。
工事の必要がないので、賃貸住宅などで工事ができない家庭におすすめです。
自分でアース線を延長する
アース線を延長して、アース端子のあるコンセントにつなげる方法もあります。ホームセンターなどでアース線を購入して自力で接続できます。
必要な材料・道具
- アース線(5~10m)*必要な長さを測ってください
- 配線モール
- ビニールテープ
- 圧着端子
- 圧着工具
工具が用意できなかったり、自分で接続が難しかったりするようであれば、電気工事店に依頼しましょう。
アース線の延長を自分でやる方法が1番安く済みます。およそ1000円程度です。ただし、キッチンの壁にアース線を這わすのは、正直言って見栄えが悪いです。その点は覚悟してください。
ちなみにアース線は延長しても構いませんが、延長コードを使ってプラグを差し込むのはNGです。プラグは必ず直接コンセントに差し込めるようにしてください。発熱による火災の可能性や水濡れによる感電の恐れがあります。
【2】そもそもアースは何のために必要なの?
アース線は、洗濯機や冷蔵庫、電子レンジなどの水回りにある家電には必ず付いています。もちろん食洗機も同様です。家電にアース線が付いていて、取扱説明書にもつなげるように推奨されているから、なんとなくアース線をつなげているという方も多いと思います。
そもそも、アースはどんな役割を果たしているのでしょうか? ここでちょっと基礎的なことをお話しします。
アースとは?
そもそもアースとは、どんな意味なのでしょう。アースは英語で「earth」=大地や地球という意味です。電気を大地に逃がす役割を果たすので「アース」と呼ばれています。日本語に言い換えると「接地」です。
家電に付けられているコードをアース線、アース線がコンセントに取り付けられるようになっている部分をアース端子と言います。
アースの役割は?
アース線は、故障したり漏電したりしたときに感電しないためにつなげるものです。漏電したときに電気を壁(大地)に流して、人間が感電するのを未然に防ぐ役割を果たしてくれます。今は、漏電したら自動的にブレーカーが落ちるようになっている家庭がほとんどなので、アースがなくても大丈夫という意見もあります。
アース線はつなげなければならないの?
このような意見があるのならば、アース線をつなげる必要がないのでは?と思った方もいるかもしれません。
しかし、感電すると命に関わります。どんなに感電する可能性は低いと言われても、やはり万が一を考えると不安ですよね。そう思うと、ないよりはあるに越したことはありません。
特に食洗機は水を使う家電です。絶対に漏電しないとは言い切れません。水は電気を通すので、非常に危険です。感電から身を守るためには、やはりアースが必要だといえるでしょう。
【3】すでにアース端子が使用されていたら?
食洗機のアース線が届く範囲に、アース端子のあるコンセントがあっても、そのコンセントに電子レンジや冷蔵庫のアース線がすでに付けられていることもありますよね。このような場合はどうしたらいいのでしょうか?
実は同じところにアース線をつなげてもまったく問題はありません。
ここで注意してほしいのは、アース端子ではなくコンセントです。食洗機のプラグは単独で差すのが原則です。いくらアース線をつなげたからと言って、電子レンジや冷蔵庫を差しているコンセントに、食洗機のプラグを差し込むことはやめましょう。あくまでも一緒につなげていいのはアース線です。
【4】アースを付けなかったらどうなる?
我が家はビルトインタイプの食洗機ですが、実家が卓上タイプの食洗機を使っているので、アース線について聞いてみました。
実家によれば、食洗機の近くのコンセントにはアース端子がなく、アース線はつなげず、そのまま使っているとのことでした。
設置工事の際も、電気屋にアースに関して何も言われなかったそうです。位置的にも水をかぶる場所ではないから大丈夫と言っています。今のところ何の問題もないとはいえ、今後何も起きないとは言い切れないので心配になりました。
今回、調べてみたことを伝えて、アース線をつなげるようにすすめてみたいと思います。
まとめ
今は、漏電時にブレーカーが落ちるのでアースは必要ないという人もいます。けれども、やはり万が一のことを考えると、水を使う家電なので食洗機のアースはしたほうが安心だと思いました。
コンセント工事は、高いかもしれませんが1番確実です。とはいえ、ビリビリガードやアース線の延長で対処もできます。
いつ漏電するかは誰にもわかりません。命には変えられないので、アースをしていないのであればぜひ検討してください。
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