新・三種の神器の1つと言われる食洗機。でも日本での普及率は依然として伸び悩んでいます。
その理由は、値段が高い、設置できるスペースがない、お手入れが面倒くさそうなど、さまざまあると思います。けれども、これらはあくまでも印象論。
実は、値段が高くてもコスパは良いし、スペースは工夫しだい作れるし、お手入れは意外と簡単だったりします。
では、なぜ食洗機の導入が浸透していかないのでしょうか? それは、日本人特有の「手間をかけることは美徳、手抜きは悪」という考え方が根底にあるからです。
そこで今回は、この考え方に真っ向から異議を唱え、食洗機がいる理由を述べていきたいと思います。
食洗機が絶対に「いる」理由|手間をかけることは美徳じゃない!
【1】家事をする側から見て食洗機は必要?
では、家事をする側は、食洗機を持つ(持った)ことをどのように考えているのでしょうか?食洗機の有無で考え方が違うので、それぞれの視点から物理的な面を除いて検証してみます。
食洗機を導入していない家庭
- 食洗機が欲しいと思っているけれど、手間を減らすことに対して罪悪感がある。
- 食器を手洗いしているときに、くつろいでいる家族を見ると、とイライラしてしまう。食洗機があれば、一緒にゆっくりできるのに…と思う。
- 共働きなのに、なぜ自分だけが食器を洗わなければならないのか。不公平感をなくすためにも、食洗機を導入して負担を減らしたい。
- 今まで手洗いでやってきたのだから、これからも手洗いでいい。生活スタイルを変えたくない。
食洗機を導入している家庭
- 毎食後の片付けから解放され、自由な時間が増えた。
- 仕事、育児、介護などで精一杯。家事負担が減って助かっている。
- 最初はいらないと思っていたが、便利すぎて手放せない。
- 家族の帰宅時間がまちまちでも、その都度食器を洗う必要がなくなったのがありがたい。
それでも食洗機を買わない理由
食洗機のない家庭を見ると、ほとんどが食洗機を導入したい気持ちはあることがわかりますよね。
金銭的な問題やスペースの確保という問題がクリアできているにもかかわらず食洗機がないのは、ひとえに家族から必要ないと思われているからです。
手洗いでいいと思っている場合も、もし自分が病気などで手洗いできないときのことを想像してみてください。無理を押してまで自分で洗うか、普段家事をしない人に洗ってもらうかの二択です。どちらをとっても得をしないと思いませんか?
【2】家事をしない側から見て食洗機は必要?
一方で、家事をしない側は食洗機を持つことをどう考えているのでしょうか?本音を探ってみると、以下のような答えが出てきます。
- 手で洗えば済む話なのだから、わざわざ高いお金を払ってまで買う必要はない。
- 言うほど、手洗いが大変とは思えない。食洗機は1時間かかるが手洗いなら10分で済む。
- 専業主婦(主夫)でお金を稼いでいないのに、こちらが働いたお金で楽をしようとするのが許せない。時短、時短と言うが、専業なのだから手洗いする時間くらいあるだろう。
- 仕事や育児、介護で忙しいなんて言い訳。隙間時間にやれるはず。
もちろん、パートナーの負担が減るのなら、喜んで食洗機を購入したいと考える人もいるでしょう。
しかし、現実問題として、家事をやらない人には手洗いの大変さが伝わっていません。
それどころか、家事を甘く見すぎている傾向にあります。相手への思いやりや感謝の気持ちがあれば出てこない理由ばかりですよね。
【3】家事を分担している家庭にとって食洗機は必要か?
最近では、家事を分担している家庭も多くあります。
では、家事を分担している家庭は、食洗機を持つことをどう考えているのでしょう?
おそらく家事に携わる家族全員が食洗機を導入することに異論はないのではないでしょうか。
むしろお互いのために積極的に導入しようという話になるのではないかと思います。なぜなら、家事の大変さを共有できているからです。
【4】家事の効率化を図ることは必要不可欠
今どき、掃除機を使わずに箒で家中を掃除する人もいなければ、洗濯機を使わずに洗濯板で手洗いする人もいませんよね。
食洗機は、掃除機や洗濯機と同列のあって当たり前の家電です。さらに言えば、掃除機は、ロボット掃除機にまで発展して、自動化が進んでいます。
だとしたら、食洗機は主婦(主夫)が楽をするための道具と考えるのは時代遅れではないでしょうか。
それでも食洗機が必要ないと考える人は、家事=仕事と考えてみてください。今の世の中、ビジネスにおいて、パソコンは不可欠です。
経費や利益を計算するのに、計算機やそろばんなんて使わなければ、書類の作成を手書きでやったりもしませんよね。なぜなら、仕事の効率が悪いからです。自動化できるものをわざわざ手作業でやることほど、無駄なことはありません。
家事も同じです!メリットしかないのに、なぜ家事だけが時間をかけたほうがきちんとやっていると思われるのか理解できません。
要するに、食洗機は家事の効率化を図ることのできる優秀な家電なのです。
【5】コスパを気にして、時間の消費を気にしない不思議
実は、欧米での食洗機の普及率は90%もあります。
その一方で、日本の普及率は30%に過ぎません。この差は何だと思いますか?
やはり家事に対する意識の違いだと思います。欧米は家族のコミュニケーションを大切にする文化なので、家庭において家事は重視されていません。
しかし、日本は働くことが美徳という考えが根強く、仕事も家事も怠るべからずという風潮にあります。
皆さん、「時は金なり」ということわざをご存知ですよね。それなのに、食洗機は高い、食洗機は電気代がかかるなどと言ってコスパ(そもそも食洗機のコスパは悪くない)を気にしているのは不思議だと思いませんか?それよりも大切な家事にかける時間を減らすことは、おざなりにされているんですよ。
家事をしない側は、家事をしている人の貴重な時間を消費していることに気づくべきです。また、家事をする側も、自分の時間を犠牲にしていることを厭わない、その意識を変えるべきです。
時間をお金で買うことは悪いことではありません。生活の質を上げるという意味では、むしろ食洗機の導入は理にかなっています。
【6】生活環境は変わることを自覚する
日本人は、生活スタイルを変えることを避けたがるのも問題です。今までどおり(手洗い)が1番いいと思い込んで、新しいモノ(食洗機)を受け入れない気質を変えていくべきです。
最近、“丁寧な暮らし”という言葉がもてはやされ、手仕事は素晴らしい、手間をかけることは美徳という傾向がありますよね。確かに丁寧に暮らせたら、どんなに素敵でしょう。でも、それは本当に時間のある人だけの話。
一般的な家庭において、丁寧な暮らしにこだわっていたら、自分を追い込んでしまい、いつか生活は破綻してしまいます。そうなったら、もはや丁寧な暮らしどころではありません。
丁寧な暮らしがしたいのであれば、取捨選択が大切です。食洗機に関して言えば、手洗いの手間を減らした分、趣味や料理にこだわってみてはどうでしょう。そのほうが、よほど丁寧な暮らしだと思いますよ。
長い人生において、出産・育児、病気・ケガ、マイホーム購入、介護など、状況は変わっていきます。どんどん便利になっていく世の中なのに、今まで手洗いでやってきたからそのままでいいと言うのは、あまりに時代錯誤な考えではないでしょうか?生活環境が変わってから後悔するのでは遅すぎます。このように先を見据えた上でも、食洗機は必要な家電です。
まとめ
日本人も便利だからと受け入れてきたものは多いはずです。
それなのに、食洗機だけがまるで手抜きの象徴として扱われているのはおかしいということを理解していただけたと思います。
食洗機は家事の効率アップに必要不可欠。家事をする側もしない側も、古い考え方を捨てて、お互いに歩み寄ってみませんか?
食洗機は、家族にとって大切な時間の共有を作り出してくれるものです。時代の流れに乗ってみるのも悪い事ばかりではありません。
というわけで、食洗機は絶対にいる!のです。ぜひとも導入して欲しいと思います。
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