今日は「食洗機に塩素系漂白剤(カビキラー)は使えるのか?」って話しをします。
食洗機は「現代の新・三種の神器」と言われるだけあって、本当に便利ですよね。
ただ、そんな便利な食洗機ですが、場合によってはカビの温床になっているのをご存知でしょうか? 食洗器もカビるんです。
食器をキレイにしてくれるのだから、同時に庫内もキレイになっているだろうと思っている人も多いようですが、それは大きな勘違い。食洗器も手入れをしないと長持ちしません。
むろん、いつも清潔にしなければいけないと分かっていても、お手入れが面倒でついついサボりぎみになってしまうことも……。分かりますその気持ち。
しかし、どちらにしてもお手入れを怠ると「カビ」と「イヤな臭い」が発生します!
そんなときに必要なのが、カビ取りに効果のある塩素系漂白剤なんですね。カビキラーとかがそれです。
でも、カビキラーのような塩素系漂白剤って、臭いもきつくて、しかも「まぜるな危険」と明記されているほど強力な洗剤ですよね? 本当に食洗機に使っても大丈夫なのか、心配な面もあると思います。
そこで今回は、食洗機と塩素系漂白剤の相性と使用の際の注意点について調べてみました。
食洗機に発生したカビは塩素系漂白剤で落とそう!
【1】食洗機のカビやイヤな臭いはどうして発生するの?
そもそも食洗機の庫内にカビやイヤな臭いが発生するのはどうしてなのでしょうか?
皆さんも、食洗機の使用後に扉を開けると、モワッとした蒸気とともにイヤな臭いがしてきたという経験が1度くらいはあると思います。
どんなに気をつけていても、使用して数年が経過すると、汚れが溜まってきてしまうのは避けられません。どのような状況でイヤな臭いやカビが発生したのかは、お手入れの頻度と連動していますが、その原因はおおむね下記によるものと思われます。
- 残菜フィルターのカスをこまめに取り除かなかった。
- ずっと食洗機を使用していなかったため、排水ホースに溜まっていた水が腐敗した。
- 洗い上がり後もずっと乾燥させずに扉を閉めていた。
- パッキンが濡れているのに拭き取らなかった。
- 食器を庫内に置きっぱなしにして湿気だらけにしていた。
このように、使用していなかったせいでカビが生えるということもありえるので、「うちは食洗機をずっと使っていないから大丈夫」と安心することはできません。
【2】塩素系漂白剤で庫内のカビ取りをしてもいいの?
結論から言えば、大丈夫です!
庫内にカビを発見したら、まずはカビを根こそぎ退治しなければなりません。そのためには、塩素系漂白剤を使うのが1番手っ取り早い方法です。
庫内のカビ取りには、スプレータイプの塩素系漂白剤を使うとよいでしょう。
カビキラーやキッチン泡ハイターのようなメーカー品もありますが、100均でも塩素系漂白剤を購入できますよ。洗浄力に大差はないので、コスパを考えたら100均の塩素系漂白剤でも問題ありません。
カビが広範囲に渡っていたり、庫内の垂直面にカビが生えていたりした場合は、塩素系漂白剤を吹き付けて、キッチンペーパーでしばらくパックするとより効果的です。パッキンに付着したカビにもパックがおすすめ。
その後は、スポンジやキッチンペーパーでしっかりと拭き取り、カビが除去できたか確認しましょう。
塩素系漂白剤は、手に触れると手荒れを引き起こすこともあるので、きちんとゴム手袋をして、取り扱いには十分気をつけてくださいね。
塩素系漂白剤でカビを落とすことができたら、洗剤も食器も入れない状態で1度食洗機を回しましょう。
「まぜるな危険」とあるように、万が一塩素系漂白剤が残った状態で、クエン酸入りの食洗機用洗剤を入れてしまうと塩素ガスが発生して、目や喉の痛み、めまいなどを引き起こす可能性があります。このような状況を避けるためにも、食洗機の空洗浄は必須です。
【3】食洗機のカビや臭いを予防するには?
庫内のカビは、取り除けば問題ありません。けれども、できれば最初からイヤな臭いやカビが発生するのを防いで、塩素系漂白剤を使用せずに済むようにしたいですよね。
そのためには、普段から食洗機をお手入れしておくことが重要です。では、普段からどんなことに気をつけていけばいいのでしょうか?
(1)残菜フィルターのカスを取り除く
残菜フィルターのカスはカビの温床になります。食器を取り出すとき、ついでに残菜フィルターのカスを取り除き、こまめに洗いましょう。
(2)月に1~2回は庫内洗浄する
少なくとも月に1度は、クエン酸や専用の洗浄剤を使って、庫内洗浄することが望ましいでしょう。クエン酸には消臭・抗菌効果があります。イヤな臭いやカビの予防には、もっとも適しています。
(3)常に庫内の乾燥を心がける
カビの大好物は湿気です。洗い終わった後の食器は放置せず、すぐに取り出して、庫内を乾燥させるようにしましょう。カビを防ぐ1番のポイントは、庫内を常に乾燥させておくことです。
(4)普段使用していない場合は、ときどき空洗浄する
たとえ普段食洗機を使っていなくても、食洗機からイヤな臭いがしたり、カビが生えたりするのは避けたいですよね。食洗機があるのに使っていない場合は、排水ホースの水が腐敗するのを防ぐために、月に1〜2回は洗剤を入れて洗浄してください。
【4】塩素系漂白剤ではなく、酸素系漂白剤がエコでおすすめ
塩素系漂白剤のツンとする臭いが苦手な人は多いと思います。私もかなり苦手です。塩素系漂白剤は有害物質を作り出す可能性が高く、環境に悪影響を与えかねません。
カビ取りには塩素系漂白剤のほうが効果はありますが、環境に優しい酸素系漂白剤を使ってカビを除去することも不可能ではありません。
そこで、酸素系漂白剤を使ったカビ取り方法をご紹介します。
(1)カビ取りペーストを作る
用意するもの
- 過炭酸ナトリウム40g
- 消石灰(水酸化カルシウム)10g
- 約50度のお湯30cc
消石灰をお湯で溶き、さらに過炭酸ナトリウムを加えてペースト状になるまで混ぜます。
(2)ペーストができたら、すぐにカビの生えている箇所にペーストをのせる
ペーストを作ったら放置しないでくださいね。ペーストの作り置きはできません。できたてのペーストでないと効果が薄れてしまいます。
(3)2時間ほど放置する
ペーストが乾いてきたら、霧吹きで炭酸水やセスキ炭酸水を吹きかけるようにしましょう。ポロポロと固まってしまうと効果がありません。
(4)ペーストを取り除く
スポンジや歯ブラシなどでペーストを取り除き、カビがなくなっていればOK。
※過炭酸ナトリウムは、最近注目を集めている酸素系漂白剤なので、100均などでも購入することができます。消石灰は、過炭酸ナトリウムほど手軽に入手はできませんが、ホームセンターの園芸用品売り場に置いてあります。ほとんどが1kg単位の販売です。少量だけでよい場合は、食用の水酸化ナトリウム(こんにゃく凝固剤)として販売されているので、探してみてください。
塩素系漂白剤は、もちろん予防にも使えますが、予防のために何度も使うのは抵抗がありますよね。したがって、予防ならば酸素系漂白剤を使うことをおすすめします。抗菌・防カビ効果は抜群で、さらに環境にもお財布にも優しいですよ。
酸素系漂白剤には、クエン酸、過炭酸ナトリウム、オキシクリーン、無香料のキッチンハイター粉末(塩素系のキッチンハイターと名前が似ているので注意してください)などがあります。これらを使って庫内洗浄をすれば、イヤな臭いやカビが発生するのを極力防ぐことができます。
まとめ
食洗機は、私たちが口にするものを洗ってくれる便利な家電です。でも、そんな食洗機にカビが生えているとは誰も想像したくありませんよね。
イヤな臭いやカビが気になったら、すぐに塩素系漂白剤で除去することが大切です。
けれども、普段から酸素系漂白剤で庫内のお手入れをして清潔を保てば、塩素系漂白剤の出番も少なくなります。
食洗機にカビが生えにくい環境を作り、エコで安心・安全な生活ができるように心がけていきたいですね。
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