食洗機を実際に使ってみた方には、一回の食器洗いで1時間以上もかかる食洗機を見てビックリされた方もいるかもしれません。
食洗機は食器洗いを長時間かけて行うため、使う水の量や電気代が心配になるのはすごくわかります。
ただ、実は食洗機を使うとこれらのコストは高くなるどころか逆に安くなることが分かっています。
この記事では、なぜ食洗機はそんなにも食器洗いに時間をかけるのか、どうしてコストを下げることができるのかについて紹介します。
食洗機の平均時間と電気代を考える!【長い短いどっちがお得?】
【1】食洗機の平均時間は?
一般的な食洗機の稼働時間は洗浄に20分ほど、乾燥に5分ほどだと言われています。
しかし最近の食洗機は多くの機能を備えるものが多くなっており、この稼働時間が徐々に伸びてきているようです。
大手パナソニックの食洗機ではバイオパワー除菌といって、50度にあたためた洗剤を噴射して除菌する機能が付いており、これはスイッチを入れてから約7分間行われます。
その後、温度を変えながらすすぎを繰り返し、最終的に洗剤をしっかり落とせるように3~4回のすすぎを行ってから乾燥モードへ入ります。
パナソニックの食洗機はこのような過程を踏むため、スタートボタンを押してから乾燥が終了するまで120分以上かかるんですね。
このように、最近の食洗機は1時間前後かかることが普通になってきているので、あまりスピードを求めないほうが良いかなと思います。
もちろんスピード重視の時もあると思うので、その時はスピードコースに変更することで30分で終了することができます。
【2】長い時間動かして電気代は大丈夫?
食洗機が120分間も稼働し続けていると、さすがに電気代が心配になります。
でもご安心ください。食洗機は1回の洗浄で15円しか電気代を使いません。しかも乾燥機能がその大半を占めるため、乾燥機能をOFFにすれば食洗機の1回の稼働料金は5円に満たないくらいです。
洗浄だけだと75分くらいで終わるので、その間の電気代が5円。
1日2回で1か月は300円ですね。ちなみに冷蔵庫の電気代が1か月1000円くらいなので、食洗機の電気代は、毎日使う家電製品としては安めと言えます。
【3】食洗機の時間を短くする方法
食洗機の時間を短くする方法は、コース変更しかありません。
食洗機には標準コースや低温コースなど、様々なコースが付いていて、状況に応じて選ぶことができます。ほとんどの食洗機にはスピードコースが付いているので、どうしても岩脇で洗いたい場合はスピードコースを利用しましょう。
また、食洗機によってもかかる時間は違います、先ほど紹介したパナソニックの食洗機だと乾燥まで含めて120分ほどかかるのですが、飲食店などで導入されているビルドイン食洗機は20分弱で食器を洗い終えることができます。
あと、これはできれば真似してほしくない方法なんですけど、実際に使っている人からするとちょっとすすぐだけでいい食器たちを洗いたいときがあります。
例えば引っ越しで荷物詰めした後、あるいは新しく買ってきたもの。これらの食器を洗うときは油汚れを落とす必要がないので洗剤を使いません。だから食洗機だけ稼働させて、10分くらいバーッと洗ってストップしちゃう方法もあります。
公式には推奨されていないのですが、これも一つの使い方かなと思っています。
食洗機に時間がかかる理由
【1】冬場は温度設定に時間がかかる
食洗機を使っていると、夏場よりも冬場の方が時間がかかることにお気づきでしょうか?
特に冬場は、食洗機のスタートボタンを押してもなかなか洗浄が始まらないことが良くあります。それは食洗機が故障しているわけではなくて、食洗機が貯めた水を温めているところです。食洗機は製品にもよりますが、だいたい70度くらいで食器を洗います。
冬場の冷えた水道水は温めるのに時間がかかるため、スタートボタンを押してもなかなか洗浄を始めることができないんです。
この場合はある程度しょうがないのですが、しばらく温水を出しっぱなしにした後食洗機を使うとちょっとだけ改善されたりします。でも出しっぱなしの水がもったいないし、結局待つことに変わりはないので、私は何も対策をしないようにしています。
【2】食洗機に時間がかかるのはむしろメリットな理由
食洗機は1時間以上かけて食器を洗いますが、実はこれが水を節約する効率的な方法なんです。
手洗いがなぜあれほど早くお皿を洗えるかというと、水を次から次へ流しているからですよね。その中には全く汚れに触れずに落ちていくきれいな水がほとんどです。
対して食洗機は庫内にためた水を何度も繰り返し噴射して食器を洗います。だから同じ水の量でも、その水煮溶け込む汚れの濃度が全く違っていて、食洗機の方が少ない水でたくさんの汚れを落とすことができているんです。
いま食洗機をお持ちの方は、食洗機から排水される水の色を見ていただきたいのですが、最初の排水の時の水の色はすごく黒い色をしています。
手洗いで同じように洗っても、これほど黒い水は出てきませんよね。これが、食洗機は少ない水で最大限汚れを落としていることの証明になります。
時間がかかっても食洗機で水道代・電気代安くなる理由
とはいえ食洗機は4回水を入れ替える作業があるので、結局使う水は多いんじゃないの? と疑問になるかもしれません。
その答えとしては、それぞれの製品の説明書に書かれています。
パナソニックによると、食洗機を使った時の使用水量は手洗い時のなんと9分の1だそうです。
6人分44点の食器を手洗いした時と食洗機に掛けた時の実験です。手洗いで使用した水の量は82リットルだったのに対して、食洗機は10リットルだったそうです。
この結果をもとにランニングコストを計算すると、手洗いでは1回あたり61円、食洗機では23円、1年間で比較すると食洗機の方が2万3千円も安い計算になります。
食洗機がこれほどまでに使う水の量を削減できるのは、食器をまとめて洗っていることと、水を何度も循環させていることがポイントです。
食洗機は食器をまとめて洗うので決められた時間の中でもより多くの水を食器に触れさせることができ、さらに上手に水を循環させるので使える水に最大限汚れを溶け込ませることもできます。このようにして、食洗機は手洗いよりも約53%のランニングコスト削減に成功しているのです。
この事実はパナソニックの食洗機だけではなく、他のメーカーの商戦期でも同じく、食洗機を使った方が手洗いよりもコストが安いと証明されています。
更に先ほど紹介しましたが、食洗機は乾燥機能に最も電力を使うため、乾燥機能をOFFにして自然乾燥させれば食洗機のランニングコストをさらに下げることができます。
まとめ
この記事では、食洗機が稼働する時間と、コストについて紹介してきました。
食洗機は時間がかかる家電ですが、決して電力を無駄遣いしているわけではなく、むしろコスト削減に役立てる便利な家電なんです。
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